スタッドレスタイヤとタイヤチェーン?正直どっちがいいの? 冬は早めの備えと対策で安心・快適なドライブを!
2021 / 12 / 2 (Thu)
車の豆知識
はじめに
スタッドレスタイヤとタイヤチェーンではどちらがいいの?と悩む時期が来てしまいましたね笑。
今年の冬は特に寒い!ラニーニャの冬は寒い傾向、地域によっては記録的な大雪となるところもあるかもしれないですよ。
気象庁が発表した最新の「エルニーニョ監視速報」によると、今年の冬はラニーニャ現象が発生する可能性が高いらしい。
ラニーニャ現象は日本の天候にも大きな影響を与えることが多いことは有名な話です。
記憶にも新しい2020年~2021年の冬では、前半に強い寒気が流れ込んだ影響で、群馬県や新潟県では24時間降雪量が1mを超えるなど、記録的な大雪となった所がありました。
この大雪のため、関越自動車道では多数の車両が立ち往生するなど、大規模な交通障害が発生してしまったのです。
また、西日本の日本海側でも降雪量が非常に多くなってしまいました。
そしてこの冬も寒気の南下しやすいタイミングでは、厳しい寒さや大雪となるおそれがあるのです。
そんな時は、当然雪道の運転に対する備えは必要になってきます。
とは言うものの、「一体何から準備をしたらいいの?」と思ってしまうかもしれません。
それはずばり!スタッドレスタイヤとタイヤチェーンの整備から始めればいいんです。
そしてこの記事ではスタッドレスタイヤとタイヤチェーンの準備やそれらのメリット、デメリットについて解説していきます。
雪道での必需品とは?
雪山で必要なものといえば、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンです。
積雪地域のスタッドレスタイヤは今や必須です。
でも、雪が積もるのは年に1回程度という地域のドライバーにとって、もしもの時に備えてスタッドレスタイヤを購入するのは腰が重いかもしれません。
そう考えたときに候補に挙がってくるのが安価なタイヤチェーンですが、着脱が難しくハードルが高いイメージがかなりありますよね。
それぞれ一長一短あると思いますが、ぶっちゃけスタッドレスとノーマルタイヤではどちらがお勧めなのでしょうか?
スタッドレスタイヤのメリット
スタッドレスタイヤのメリットを大きく分けるとこの2つです。
- 凍結でも路面走行が可能
- 冬道でも安定した安全性
スタッドレスタイヤは靴に例えると長靴に例えることができます。
反対にノーマルタイヤは運動靴に例えることができるのです。
イメージを比較すると同じタイヤでも実はこれほどの差がありますので、それぞれの目的や性能が全く異なることがよくわかりますね。
一方で、長靴の靴底に深い溝がたくさんあるのを見たことがありますか?
スタッドレスタイヤは同じようにノーマルタイヤよりも溝が深く作られており、またタイヤのゴムも柔らかくなっています。
タイヤを柔らかくして、溝を深くすることで路面の状態に合わせてタイヤが変形しやすくなります。
その結果、地面との接地面積を大きくして凍った路面でも滑りにくくなるのです。
またノーマルタイヤよりも細かい溝にすることによって、路面の水膜を吸い取りやすくなり、さらに路面との摩擦を強めることを可能にしています。
ノーマルタイヤではスリップしたりスタックしてしまうような状況でも、スタッドレスタイヤならしっかりと路面を捉え安心して運転することができるでしょう。
でもそんなスタットレスタイヤにもデメリットがあったりします。
スタッドレスタイヤのデメリット
スタッドレスタイヤのデメリットについては下記の通りです。
- 購入費用が高い
- 保管場所が必要
- 長期の使用や春夏の走行には適さない
まずはじめに購入費用が高いことですが、その原因のひとつは「燃費」です。
タイヤが柔らかく作られていて路面との摩擦が大きいぶん、抵抗も大きくなりノーマルタイヤよりも燃費が悪くなります。
摩擦が大きくてよくグリップしてくれるということは、「タイヤの摩耗が早い」ということです。
そのため使用環境により違いはありますが、ノーマルタイヤよりも消耗が早く、交換のサイクルが短くなります。
結果として、購入・交換費用がノーマルタイヤよりも高額になりがちです。
タイヤの価格もノーマルタイヤと比べるとスタッドレスタイヤのほうが高い傾向にあります。
そんな中、最近では研究・開発が進み、スタッドレスタイヤの燃費や耐久性はかなり改善され、ノーマルタイヤとほとんど変わらない水準になっているものもあります。
そのため、各ブランドやモデルによって特徴を見定めてみて、どのタイヤが良いか見比べて見るのも良いかもしれません。
一方で前述したように、スタッドレスタイヤとノーマルタイヤは長靴と運動靴くらいタイヤの作りや設計のコンセプトに違いがあります。
法律的には年間を通してスタッドレスタイヤを装着して走行していても何も問題ありませんが、長靴で長距離を走るのは、なかなか大変ではないですか。
そういったことを考慮すると、やはり春や夏にスタッドレスタイヤで走行するのはデメリットが多いのが実情です。
それゆえに雪が降ったり路面が凍ったりしなくなった頃には、なるべく早くノーマルタイヤに交換したほうが良いと思います。
またこれについては余談ではありますが、スタッドレスタイヤはレンタルをできることをご存知でしょうか?
「やっぱり、年に数回降るか降らないかの雪のために毎年交換するのは手間だし、タイヤ代や置き場所がかさむのはちょっと…」
そんな方には朗報ですよね!
レンタルならタイヤの保管場所も不要で、ウインタースポーツに出かける時や、雪が降る予報が出ているときだけ借りるということも可能なのでレンタルも検討をしてみてください。
さて、次のところでは話題を変えてタイヤチェーンについてお話をしていきます。
タイヤチェーンについて
スタッドレスタイヤは主に踏み固められた雪の上を走行する目的で作られています。
反対にタイヤチェーンはどうでしょうか?
冬の運転ではスタッドレスタイヤを装着していれば絶対安心というわけではなく、チェーンも重要な装備の一つです。
フカフカの雪の上や、アイスバーンになってしまったツルツルの路面を走るのであればタイヤチェーンは欠かせません。
そのため冬の運転でスタッドレスタイヤとセットで用意しておきたいタイヤチェーンについて詳しく見ていきたいのですがまずはメリットからです。
タイヤチェーンのメリット
メリットとしてはこの2つが挙げられます。
- 価格が安い
- 雪上でのグリップ性能はスタッドレスタイヤに勝る
タイヤチェーンの魅力は、なんといってもその価格の安さであり、安価なものであれば3,000円程度から購入することができます。
またコンパクトに収納できて持ち運べるため、常に車に積んでおける携帯性も大きなメリットのひとつです。
家の中で保管する場合もタイヤを4本収納しておくとなるとかなりの場所を取りますが、チェーンならちょっとした場所さえあれば保管しても邪魔にならないでしょう。
一方で、もう一つのメリットとして、雪上でのグリップ性能はスタッドレスタイヤにも勝るため、スタッドレスタイヤでは対応できない場面で使用することができます。
深い雪道やアイスバーンなど、スタッドレスタイヤでもスリップしてしまうような状況ではチェーンが活躍します。
チェーンを装着することで雪道等でもしっかりと路面をグリップし、確実に車を動かすことが可能です。
それでは次のところではデメリットについて話していきます。
タイヤチェーンのデメリット
スタッドレスタイヤは値段が高いため、タイヤチェーンだけで冬を乗り越えようと考えているドライバーもいるかもしれません。
そんな中、タイヤチェーンはもちろんデメリットがあります。
- 走行音がうるさくスピードが遅くなる
- 着脱が手間
チェーンを装着して走ると、どうしてもガチャガチャと音がして乗り心地も悪くなるので、疲労やストレスが溜まります。
チェーンの素材やメーカーによって異なりますが、チェーンを装着しての走行は速くても50km/hほどに制限されてしまうことが多く、高速道路などを走行する際には注意が必要です。
また急発進や急ブレーキをしたり、雪のないアスファルトを走行すると、ホイールに傷がついたり、チェーンが切れてしまう場合もあるので注意して運転しましょう。
そしてもう一つの大きなデメリットは着脱について手間がかかることです。
乾燥した路面ではチェーンを外さなければならないので、道路状況によっては何度もチェーンの脱着をしなければならないことも考えられます。
慣れれば脱着にはそれほど時間はかかりませんが、何度も停車して脱着するとなるとかなり面倒ですよね。
ちなみに、チェーンは駆動輪のみに装着するのが一般的であり、前輪駆動なら前輪、後輪駆動なら後輪に装着します。
四駆の場合は、前輪と後輪どちらが主体になっているかで変わりますが、理想は4本すべての車輪に装着することです。
そんな中、走行音、着脱のわずらわしさは非金属チェーンで解決できることをご存知でしょうか?
タイヤチェーンには金属のチェーンと非金属のチェーンがあります。
どちらの場合もこまめな着脱が必要ですが、非金属チェーンのほうがデメリットはいくらか緩和されます。
非金属チェーンはゴムやウレタンで出来ており、走行音や振動が金属チェーンに比べて穏やかです。
また価格は1万円程度と金属チェーンに比べると相場は高くなりますが、チェーンよりも着脱が比較的容易という大きな特徴があります。
このほかにも最近では簡単に装着できるチェーンも多く販売されており、力の弱い女性やお年寄りでも装着することができるのです。
ただそうは言っても、出来れば事前に装着の練習をしておくことをおすすめします。
いざというとき取り付け方法が分からないとなると、寒い中で長時間苦労することになるかもしれないからですね。
さて、ここまでタイヤチェーンのメリットとデメリットをお伝えしてきましたが、話を聞いているとチェーンだけでもいいのではと思ってしまいませんか??
タイヤチェーンだけではダメなの?
スタッドレスタイヤとタイヤチェーンのふたつを上手く使えばもちろん冬は乗り切れるはずです。
では普通のタイヤチェーンとノーマルタイヤの組み合わせではどうでしょうか?
結論から言うと、雪がほとんど降らない地域ならノーマルタイヤを使い、保険としてタイヤチェーンを持っていればOKです。
要するに、自分が運転をする地域や気候に合わせて用意する装備を考えた方が良いです。
一方で、チェーンがなくては走れないところもあるのでその点は注意が必要かもしれません。
チェーン装着が義務付けられている区間も
一部の道路ではスタッドレスタイヤだけでは不十分で、チェーン装着を義務付けられる場所があります。
チェーンを装着していない車はそれ以上先に進めなくなり、高速道路でチェーン規制がかかるとチェーンを装着していない車は一般道に誘導されてしまう場合もあるのです。
雪でチェーン装着が義務付けられる道路はどこか、例年の降雪情報を見ることでだいたいの予想ができます。
確実に目的地へ辿り着くためにも、雪が降ることが予想される時はしっかり天気予報や道路情報をチェックし、大雪や吹雪になる可能性も考慮して無理な外出は控えましょう。
終わりに
ここまでスタッドレスタイヤとタイヤチェーンでは正直どっちがいいのと言う話をしてきましたがいかがだったでしょうか?
結論ですが、スタッドレスタイヤとチェーンの併用を心掛けて、安心・快適なドライブをして頂きたいです。
その理由はとしては、雪道の走行にはスタッドレスタイヤとチェーンを併用することがどんな困難にも対処できるからです。
冬の間はスタッドレスタイヤで走行し、スタッドレスタイヤでは対応できない雪道などではチェーンを装着する、という使い方をすればまず困ることはないでしょう。
またスタッドレスタイヤとタイヤチェーンを併用することで事故も未然に防げるため、とてもハッピーな雪道ライフを送ることもできます。
でも過信は禁物ですよ笑。
スタッドレスタイヤやチェーンを装着していても、急ブレーキや急ハンドル、急発進をさけ、車間距離をいつも以上にしっかり保って安全運転を心がけましょう。
ここまで読んで頂きありがとうございました。